静岡県手をつなぐ育成会 令和5年度 知的障害者相談員等研修会
令和6年4月1日から民間事業者による「合理的配慮の提供」が「義務化」されることを踏まえ、
静岡県手をつなぐ育成会では、障害者差別解消法改正の狙いや知的障害のある方々にとっての
「合理的配慮の提供」について学ぶ、知的障害者相談員等研修会を開催しました。
(趣旨)
令和3年5月に障害者差別解消法が改正され、これまで、「努力義務」とされていた民間事業者による「合理的配慮の提供」が、令和6年4月1日から「義務化」されます。
しかし、「合理的配慮の提供」を受けるためには、障害のある人からの「意思の表明」が必要ですが、知的障害のある方々にとって、それは容易なことではありません。親や支援者などが、本人に代わって「意思の表明」を行い、「合理的配慮の提供」を求める場面がこれまで以上に多くなります。
今回は、障害者差別解消法の改正法施行に向けて、改正法の狙いや知的障害のある方々にとっての「合理的配慮の提供」について学び、知的障害者相談員としての関り方や、どうすればみんなが暮らしやすくなっていくのかを考える機会とします。
講演で内山准教授の講演要旨 (文責:事務局)
・社会的弱者を取り巻く状況として、埼玉県上尾市における2か月児への虐待事案や保育施設等での不適切保育、大阪堺市での小学生逆さづり、障害者施設での虐待、高齢者施設での暴行事件など、世の中では考えられないようなことがいろいろ発生していることを共通認識として始めたい。
・障害者だから困るのではなく、「複雑なことを言われてもわからない」「たくさん言われると分からない」「わかったふりをする」などの「”困り感”の蓄積」 に困っている。
・合理的配慮の提供の義務化の前に、第5条の環境整備(事前的改善措置)を進めるべきだが、なぜ禍根部分が見逃されている。ここを進めないと、「合理的配慮の提供」は意味をなさない。
・相談員として、相談に際し注意すべきことは、「指導」と「正論」に凝り固まらないこと。正論だけでは反発を買い、共感は得られない。
・言葉より文字で見せる、という工夫も必要
・貧乏ゆすり、椅子に斜めに座って足をブラブラ、などは集中するためにやっていること、ふざけているのではないことを理解する。
・支援は、「やってやる」「させてやる」ではなく、主体的に行動できるようにしていくこと。
グループワーク
・時間の経過とともに、各グループともに議論が白熱
・身振り手振りを交えて熱心なトークが繰り広げられた。
・発表は時間の都合もあり5グループ
・グループ発表の後、内山先生による解説、答え合わせ。ただし、正解は一つではない、ということで、いろいろなアプローチがある。
主催: 静岡県手をつなぐ育成会
日時: 令和6年1月20日(土曜日) 10時00分〜14時55分
会場: 静岡県総合社会福祉会館「シズウエル」7階703会議
内容:
生活サポート総合保障制度についての説明及び本日の研修会の趣旨説明(10:00~10:15)
開会、会長挨拶 (10:15〜10:30)
講演 (10:30〜12:00)
演題:「知的障害者への合理的配慮を考える」
〜8050問題を意識して〜
講師:聖隷クリストファー大学 国際教育学部 こども教育学科
准教授 内山 敏 氏
―――− < 昼休み 12:00〜13:00 > ――――
グループワーク (13:00〜14:50)
助言者:聖隷クリストファー大学 国際教育学部 こども教育学科
准教授 内山 敏 氏
閉会 (14:55〜15:00)
参加者: 知的障害者相談員及び育成会の役員など 90人
<研修会の様子>
役員、協力員の方々との打合せ風景
JICセントラル静岡営業所の勝又さんによる「生活サポート総合保障制度」の説明
講師の内山先生
講演の様子、内山先生は長らく福祉の現場で福祉職として従事され、令和5年度から大学教員になられました。
講演の質疑応答風景
午後の部、グループワーク研修について説明をする、西部地区連合会事務局で、浜松市浜北育成会会長、静岡県育成会
常任理事の伊藤さん
グループワークの様子
グループワークの様子
内山先生に助言を求めるグループワーク参加者
議論が白熱してくると身振り手振りの動きも増えてきます。
グループワークの様子
グループワークの様子
グループワークの様子
グループワーク発表の一番手は、沼津育成会会長の尾藤さん
グループワーク発表
グループワーク発表
グループワーク発表
グループワーク発表
内山先生によるグループワークの「答え合わせ」ただし、正解は一つではありません。
閉会のことば を述べる杉本副会長
〒420-0856
静岡市葵区駿府町1-70 静岡県総合社会福祉会館「シズウエル」3階
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