静岡県手をつなぐ育成会では、下記のとおり、第32回知的障害者職業自立啓発セミナーを開催しました。本年度は、主権者教育アドバイザー及び静岡市選挙管理委員会の協力を得て、狛江市の取組について実践報告をしていただくとともに、模擬投票を実施しました。
参加者の約半数、63人の方々が模擬投票を体験しました。模擬投票が円滑に進んだため、セミナーは予定よりも早く終了すると思ったのですが、活発な質疑応答が行われた結果、予定通りの時刻に終了となりました。質疑応答などの概要につきましては下記をご覧ください。
<知的障害者職業自立啓発セミナーの概要>
主 催 静岡県手をつなぐ育成会
後 援 静岡県、静岡県知的障害児者生活サポート協会(協賛)
協 力 静岡市選挙管理委員会
日 時 令和6年9月7日(土曜日)
午前の部 10時00分 〜 12時00分
午後の部 13時00分 ~ 15時30分
会 場 静岡県総合研修所「もくせい会館」1階 富士ホール及び体育館
(静岡市葵区鷹匠3丁目6-1)
次 第
(1)開 会
(2)主催者挨拶
(3)実践報告
テーマ「選挙に行こう~私たちの思いを政治に託すために~」
講師
東京都狛江市副市長 平林 浩一氏(総務省主権者教育アドバイザー)
狛江市手をつなぐ親の会会長 森井 道子氏(総務省主権者教育アドバイザー)
―――- < 昼食休憩 > ――――
JICセントラル静岡営業所の勝又氏より、生活サポート総合補償制度の令和7年度改正概要を
説明しました。
(4)実際に投票を体験してみよう(模擬投票)(協力:静岡市選挙管理委員会)
説明:静岡市選挙管理委員会事務局 参与兼次長 梅田しおり 氏
SDGs誰もが主役選挙 <候補者氏名等>
杉本ひさし(トラベル党)、髙橋たかよ(カラオケ党)、佐藤のりひろ(日本グルメ党) (お詫び)
静岡県手をつなぐ育成会の杉本 斉副会長のお名前は、「ひとし」です。事務局の
チェック漏れでした。お詫びを申し上げます。
<投票結果>
候補者名 | 得票数 |
---|---|
杉本ひさし | 28票 |
髙橋たかよ | 15票 |
佐藤のりひろ | 16票 |
無効票 | 4票 |
(5)模擬投票質疑応答、講評、振り返り
静岡市選挙管理委員会事務局 参与兼次長 梅田しおり 氏
東京都狛江市副市長 平林 浩一氏(総務省主権者教育アドバイザー)
狛江市手をつなぐ親の会会長 森井 道子氏(総務省主権者教育アドバイザー)
<静岡市選挙管理委員会との質疑概要> 文責:県育成会事務局
質問:誰がどこで代理投票をしたということは、選挙管理委員会の内部で情報共有はされるのか。
回答:誰が支援が必要かという情報の共有は行っていない。どこの投票所でも代理投票はできるので安心して投票所に行ってください。
質問:以前投票所に行ったが、係員に「(障害者に)投票できるのか?」と言われ投票を諦めたことがある。
回答:お詫びするしかない。そのようなことがないよう、今後も努めていく。
質問:「紙片」であれば投票所に持ち込めるとの説明があったが、選挙公報を切り取って持参することは可能か。
回答:持参可能できる。
質問:緊張してしまい、投票用紙への書き込みができない場合、代理投票は可能なのか。
回答:代理投票を利用できます。はっきりと係員に代理投票を希望すると伝えてください。
質問:投票用紙の折り方に決まりはあるのか。
回答:決まりはありません。ただ、現在の投票用紙は、開票の際に1枚1枚広げなくてもよいように、どのように折っても、広がるようになっています。
質問:記載台に掲示されている候補者一覧を読む事が出来ない。あらかじめ候補者の名前を書いたメモを持参したいが大丈夫か。また、メモは自筆でなくてはならないか。
回答:「紙片」であり持参できます。選挙公報の切り抜きでもよく、自筆でなくても持ち込めます。
質問:代理投票の意思表示は本人のみできるのか。付き添いの家族などが意思表示することはできるのか。
回答:家族が代理投票の意思を伝えることはできます。
質問:選挙によっては、何回も投票することがあるが、本人は理解できず、帰ろうとしてパニックになることもある。投票の都度、退場して再入場することは可能なのか。
回答:可能なので、投票所の係員に申し出てください。
<講評、振り返り、質疑など> 文責:県育成会事務局
・一緒に記載台で記入していたり、記入した投票用紙を見せ合ったりしていたが、NGです。
・投票箱が小さくて投票用紙を投函しにくかったと思うが、折って入れたり、手を添えてそっと入れたり、それぞれが工夫していた姿に感心しました。
・投票所の再入場は可能ですので、係員にその旨を伝えましょう。
・わからないことがあったとき、記載台の前で手を挙げて、係員を呼ぼうとしたのはよかったです。。ただ、今日は模擬投票ということで人手の関係もあり、係員は来ませんでしたが・・・(苦笑)
・記号式投票は、首長選挙に限って実施されていますが、期日前投票は記名式のため、記名式への回帰の傾向がみられます。
・期日前投票が記名式となっている理由は、告示日の翌日から期日前投票が始まるため、時間的に間に合わないというものです。期日前投票を告示後3日目から、などとすれば十分実施できるので、そうした改善を働き掛けている。
・「紙片」ですが、本人が持参したことが重要であり、例えば、候補者の名刺であっても持参できます。ただし、それを他の方などに見せたりするのはNGです。
・ポストイットに「代理投票をお願いします。」と書いて、入場券に貼り付けておくのもよいです。
質問:ジャンケンのパーとかグーとかでしか、意思表示できない。そんな息子でも代理投票を依頼できるのか。
回答:本人の意思が確認できれば代理投票は可能です。投票所にいる係員などは、ほとんどが選挙のプロではありません。事前に選挙管理委員会に相談した上で投票所に行かれるとよいでしょう。
質問:うちの子どもは並んで待つことが苦手です。障害者のためのファストパスのようなものはありませんか。
回答:そうした制度はありませんが、あらかじめ選挙管理委員会に相談し、比較的空いている時間を教えてもらうというのも一つの方法です。
質問:(障害のある方にとっても)わかりやすい広報誌づくりについて教えて欲しい。
回答:事前に立候補予定者に一定の書式で協力を依頼して作成している。札幌市の事例ではNHKと組んで作成しているし、福島市では選挙管理委員会と連携して作成している。狛江市で作成したものを持参しているので、関心のある方は後ほどご覧ください。(森井会長からは、わかりやすい広報誌作成のための資料などの提供をいただいております。整理した上で、近日中にホームページに掲載いたします。)
現状では、告示後の内容の修正が認められていない。一方で、点字公報は公示日以降に作成配布されている。知的障害のある方々への情報保障の一環として、わかりやすい広報誌もこれに準じた取扱いができないか、総務省と調整している。
質問:ネット投票はいつ頃実現するのか。
回答:専用機を用いた電子投票は既に実用化していますし、ネット投票は技術的には既に完成しています。しかし、開票をどのように行うか、あるいは、国会議員の方々にネット投票への心理的な抵抗感があるようで、まだ実現していません。
<事務局から>
主権者教育アドバイザーの平林さん、森井さん、そして静岡市選挙管理委員会の梅田さんも繰り返しおっしゃっていましたが、投票に際して不安なことがあれば、事前に選挙管理委員会に相談しましょう。
平林さんいわく「選挙管理委員会の方々は優しくて親切です。」とのことです。
今回、模擬投票に協力いただいた静岡市選挙管理委員会の皆さんも優しかったですね。梅田さんも、多くの質問に丁寧に回答くださいました。
これを契機に、みんなで選挙に行って、障がいがある人もない人も、誰もが地域で自分らしく安心して暮らせる「共生社会」の実現を目指しましょう。
(6)閉 会
開会のあいさつをする佐藤副会長
主催者挨拶:小出会長
挨拶をされる小出会長と司会を務める静岡県手をつなぐ育成会西部地区連合会事務局、浜松市浜北手をつなぐ育成会会長の伊藤さん
主催者挨拶を聞く、平林さん(左)と森井さん
主権者教育アドバイザーの平林さん(左)と森井さん
狛江市手をつなぐ親の会会長の森井道子さん
静岡市選挙管理委員会の皆様
模擬投票について説明する、静岡市選挙管理委員会の梅田さん
昼休みの時間を活用して、生活サポート総合補償制度について説明する、JICセントラル静岡営業所の勝又氏より
杉本さんのお名前は、「ひとし」です。事務局のチェック漏れです。お詫び申し上げます。
模擬投票の様子
模擬投票後の質疑の様子
多くの方からの質問をいただきました。有難うございました。
静岡県手をつなぐ育成会の杉本副会長の閉会の辞、ひとり一人の1票で世の中を変えていこう
セミナー終了後に、「わかりやすい広報誌」作りについて、森井さんに質問をする静岡市静岡手をつなぐ育成会の皆さん
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狛江市手をつなぐ親の会の森井道子会長より、参考資料のリンク先を提供いただきました。
〇狛江市役所ホームページ
1 わかりやすい主権者教育の手引き wakariyasuitebiki.pdf (city.komae.tokyo.jp)
「狛江市総合的な主権者教育計画(第2期)」のページに掲載されています。
PDFファイルで、5,663KBです。
2 「代理投票リーフレットをご利用ください」の頁に掲載されています。
代理投票リーフレット [1060KB pdfファイル]
代理投票リーフレット(簡易版) [755KB pdfファイル]
〇NHKみんな選挙 には狛江市の取り組み他沢山掲載されています。
是非のぞいて見てください。以下は一例です。
1 初めての投票 知的障害の男性の思い みんなの選挙 障害者が投票に参加しやすく
2 知的障害のある人の投票について職員研修
東京・狛江市 みんなの選挙 障害者が投票に参加しやすく
3 知的障害のある人の投票について解説動画を「親の会」が作成
みんなの選挙 障害者が投票に参加しやすく
〒420-0856
静岡市葵区駿府町1-70 静岡県総合社会福祉会館「シズウエル」3階
TEL 054-254-5230
E-Mail s-ikuseikai@iku-fukushi.jp